シャリンバイ

本州などの南の海岸沿い近くに自生する、バラ科シャリンバイ属の常緑樹。
大気汚染や潮風にも強いため、街路樹や公園にも植えられているのでよく目にする植物だ。

近頃は正月の初詣の時でもあまり見かけなくなってしまった着物姿、
着物地のことはあまり知らないが、
昔,呉服屋で聞いた{大島紬}、この名には記憶があり、
このような高いものには手が出ず、化繊の安いものしか買えなかった思い出が残っている。

その頃聞いたのは、「シャリンバイ」当地ではテーチギと呼ばれ、この樹皮や幹にはタンニンが多く含まれているので、
奄美大島では、大島紬の染料として独特技法の泥染めに利用されているという。
泥染めとは絹糸をシャリンバイの樹皮の煮出し汁で色を染めて、泥土の中に入れてその中の鉄分により発色定着させる技法らしい。

さらにもう一つ、沖縄の芭蕉布、これもこの樹液で染めているということらしい。
これはイトバショウというバナナの木の仲間の植物で、当地ではアタイと呼ばれる芭蕉の繊維から、糸を作り、その薄茶色と、琉球藍の紺、このテーチギで染めた濃い茶色で、絣を織ったものが芭蕉布とされ夏の着物などに利用されている。

地元の、身近にある植物・鉱物・生物などをこのように利用し使い切るとは
あらためて先人の知恵の素晴らしさに驚く次第だ。
キングサリ 

またの名を黄花藤、フジの花を黄色くしたような花だ。
英名のゴールデンチェーンを直訳したその通りの名前
同じマメ科の植物でもフジとはは少し違い、こちらはキングサリ族。
ヨーロッパ中東部の原産、挿し木と種撒きで増やす事が出来る。
しかし、特に種にはアルカロイドが含まれているので、特に注意が必要だ。

植物には進化の過程で、保身・繁栄などの為か独自の化学力を駆使し、毒を得たものが多い。
たとえば、身近なものとしては、ジャガイモの新芽リンゴ・サクランボ・モモ等の種
トマト・ナス等の葉など、普通に目にする物をはじめとし、
庭木ではアセビ・シャクナゲ・フジ・ノウセンカズラ・トチノキ・アジサイ・アザレア・レンゲツツジエニシダ・ニセアカシア・ユーカリ・・・・等
草花では有名なトリカブト・スズラン・フクジュソウ・ドクゼリからチューリップ・スイセン・ヒヤシンス・シクラメン
・アマリリス・ポインセチア・クリスマスローズ・ケマンソウ・スイトピー・・・等数えればきりがない。

きれいな花には毒がある。
人が古代から今までの間に我が身を犠牲にし、身を呈して覚えてきたこの毒の知識、
例えば、これらを逆に薬として利用してきたりもした。
知った上で、花たちに触れ合うのもまた楽しいのでは。
ただ植物たちが意味もなく、毒を得たとも思われない。
それも理解した上で・・・
葉衣居にて
アメリカハナミズキ

良く知られている通り、ミズキ科ミズキ属の日本のヤマボウシの仲間。

昔、中学の教科書にも取り上げられたように
今から100年ほど前の明治時代、1912年に当時の東京市長尾崎行雄がアメリカ、ワシントンに桜の木を送った返礼として、
大正4年(1915年)にこちらに贈られたのが、このアメリカハナミズキだった。

北アメリカ原産の木で、別名アメリカヤマボウシ
白花の原種を始めとして、今では多くの種類が出回っている。
アメリカではバージニア州の花として知られるが、なぜか日本でも多くの市が市の木としても制定している。

性質としては、日光を好み湿潤で肥沃な土地を好み、夏の乾燥を嫌う。
気を付けることは、うどんこ病・炭素病・鉄砲虫・そしてその名の通りアメリカシロヒトリ
キングサリ
シャリンバイ
アメリカハナミズキ


岡本造園有限会社


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